イバンカ基金への拠出 発展途上国の貧困対策

2017年11月06日 06:41

 佐藤正久外務副大臣は「イバンカ基金に、安倍首相が約57億円拠出」などの報道に「女性起業家支援基金を世界銀行内に設置するもので、基金設立にイバンカ氏も関与したが、実態は発展途上国貧困対策の一環」だと5日までにツイッターで説明した。

 安倍晋三総理が3日開かれた国際女性会議WAW!で米国イバンカ・トランプ大統領補佐官が主導して女性起業家資金イニシアティブを立ち上げたことを評価し「イバンカさんはG20のハンブルクサミットで『女性起業家資金イニシアティブ』の立ち上げを主導されました。日本は、このイニシアティブを強く支持します。そして5000万ドル(日本円で約57億円)の支援を行うことを決定しました」とスピーチした。

 一部報道は安倍総理が「イバンカさんが立ち上げを主導した国際的な基金におよそ57億円にのぼる資金援助を表明した」と伝えた。ただ、この案件は今年7月のG20で既に拠出が表明されていて、佐藤外務副大臣は原資も「外貨準備高余剰金」が充てられると紹介した。

 世界銀行はHPで佐藤外務副大臣が指摘するように「本ファシリティは、女性による起業を促進し、途上国の女性が起業と事業拡大に必要な資金や市場、人脈へのアクセスを拡大できるよう、10億ドル以上の動員を目指すもので、女性の経済的エンパワーメントは極度の貧困撲滅に必要な包摂的な経済成長の達成に不可欠であることから、長年にわたり優先課題として位置づけられてきた」と紹介。

 イバンカ大統領補佐官についても「本ファシリティの構想に貢献し、女性の起業という課題を強く支持してきた」とする一方「イバンカ大統領補佐官は運営管理や資金調達には関与しない」と紹介している。

 同イニシアティブには日本のほか、オーストラリア、カナダ、中国、デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、サウジ・アラビア、韓国、アラブ首長国連邦、イギリス、アメリカなどが参加、または参加表明。(編集担当:森高龍二)