在沖縄米軍海兵隊のグアム移転や米軍嘉手納基地以南の土地の返還と米軍普天間飛行場の移設を分離して進めていく基本方針が日米間で合意し、海兵隊の移転を先行させる動きが出てきた中、普天間飛行場の名護市辺野古への移設計画については堅持することが確認されているものの、固定化への懸念が払拭されていないことから、野田佳彦総理の早期の沖縄訪問を求める声が野党各党から相次いでいる。
9日の衆議院予算委員会でも石原伸晃自民党幹事長が「環境を整えるためにも自身で沖縄へ行くよう」提起した。野田総理は「早急に(沖縄訪問の機会を)つくりたいと思う」とこれまでより前向きな姿勢をみせた。
野田総理は「普天間飛行場の移設は我が国の責任で進めていかなければならない」(8日の参議院予算委員会の答弁)としており、政権交代から普天間飛行場の県外移転先を探して時間を費やしたこと、結果的に移転先が辺野古になったことなど「現地に行ってお詫びしなければならない」とし、抑止力を維持しながら沖縄の負担軽減に努めること、沖縄関連2法案(沖縄振興特別措置法、駐留軍用地の返還に伴う特別措置法の改正案)を10日に閣議決定することなどを答弁の中であげた。総理の中では沖縄に行く環境が整いつつあるとの認識が出てきたことを伺わせた。(編集担当:福角忠夫)