森友学園への国有地売却に8億2000万円の値引きが行われた問題で、安倍晋三総理は27日の衆院予算委員会で、これまでの国会答弁で「適正に処理された」と強弁してきた責任を立憲民主党の長妻昭政調会長に追及され「財務省や国土交通省から適切に処分していたとの答弁があったし、わたしも(両省から)そのように報告を受けていた。これまでの答弁は、そのような報告を受けた理解の下で申し上げてきたものだ」と答弁の責任を財務省、国交省に転嫁した。長妻氏は行政府トップとしての責任を提起した。
会計検査院の調査報告では、政府が国有地売却の値引き根拠とした地中のゴミ量は政府答弁の最大7割から最小でも3割少ないこと、さらにゴミ処理単価根拠も明確でないことが浮き彫りになった。
安倍総理は会計検査院の調査結果で指摘された内容について「政府として真摯に受け止めなければならないと考えている」と答えた。
そのうえで、今後については「国有地売却にあたって国民の疑念を招くようなことがあってはならない」とし「これまでの国会での厳しい指摘、会計検査院の指摘を踏まえ、国有財産売却に対して業務を見直す必要があると考えている」と答え「公共性の高い随意契約は売却価格をすべて公表する。手続きの明確化を図る。売却価格の客観性を確保するため、財務省が提示した特殊な事案(地下に埋設物があるなど)は第3者による算定確認を行う。(売却経緯を検証できるよう)十分な文書管理の徹底を図ることを財務省など関係省庁に対応させる」と答えた。
長妻議員は「総理は、価格算定は適切だ、適切だ、適切だとず~と言ってきたが、会計検査院の調査報告で覆させられた。国民への謝罪はないのか」と質した。(編集担当:森高龍二)