安住淳財務大臣が即決対応で被災者生活再建支援制度のシステム上の欠陥を1日で改善した。8日開かれた参議院予算委員会で公明党の山本博司議員がお礼述べ、対応が分かった。
これは7日の参議院予算委員会で竹谷とし子議員(公明党)が今月6日に分かったこととして取り上げ、要望したもので、竹谷議員はさきの東日本大震災で住宅が全壊したため、被災者生活再建支援制度に基づき、2人暮らしの世帯が支援金の受給申請をした際に1人に住民票がなかったため、単身世帯として75万円を受給し、その後、2人暮らしであることが証明されれば複数世帯として100万円受給できることを知らされ、改めて申請したところ、25万円が追加で受給されると思っていたら、75万円を2月末までに返還するよう請求書が届き、返還されない場合は年率10.95%の遅延金もつくとなっていて、すでに支援金を使ってしまっていた家族はすごく困っていると状況を説明。「このような行政の対応は被災者のこころを挫いている」と配慮を求めていた。
安住財務大臣は7日に「自分の所管でないが、市役所と直接話してみるから、詳しい説明を後で」と答弁。8日の参議院予算委員会で「昨日夜、事実関係を確認したら、全くその通りだった。市役所に聞くとこの仕事をしているところが財団法人都道府県会館で、そこでは同じような問い合わせや相談がきているということでした。システム上の問題であることが分かったので、あす以降、不便をかけないようやりますということで、ご指摘の事例では、義理堅い方で、75万円が返されていたということでしたので、改めて明日、100万円を振り込ませて頂くということでした」と報告。今後は修正申請した場合、一端返金を求めるようなことはなく、差額が追加給付されることになったことを伝えた。
被災者生活再建支援制度では住宅が全壊した世帯や半壊や住宅敷地に被害が生じたためにやむを得ず解体した世帯、危険な状態が継続し居住不能な状態が長期間継続している世帯には基礎支援金として単身世帯に75万円、複数世帯に100万円を支給している。また、大規模改修しなければ居住が困難な世帯には単身世帯に37万5000円、複数世帯に50万円を支給している。
また、住宅の再建方法(建設・購入・補修・公営住宅以外の賃借)で別途に200万円から50万円の加算支援金(単身世帯では4分の3)が支給される。基礎支援金の申請は地元自治体に申請することになっており、申請期間は災害発生から13ヶ月以内。加算支援金は37ヶ月以内となっている。(編集担当:福角忠夫)