しゅふJOB総研が「望ましい働き方と短時間正社員」をテーマに働く主婦層にアンケート調査を実施。短時間正社員で「働いてみたい」は77.2%。いま最も望ましい働き方は「短時間非正規社員」が38.3%で最多。
しゅふJOB総研が働く主婦層733人を対象に「望ましい働き方と短時間正社員」に関するアンケート調査を実施し、14日、その結果を公表した。家事・子育てと仕事を両立させたいと思っている主婦にとって望ましい働き方は「短時間正社員」のようだ。
少子高齢化の日本では現在、生産年齢人口が急速に減少している。近年、団塊の世代が労働市場から退出しはじめ求人倍率は上昇し、人手不足感が深刻化している。働く意志がある者がより多く労働市場に参加できるようシステムを調整することは重要だ。
調査結果によれば、「短時間正社員で働いてみたいと思うか」という質問に対しては、「働いてみたいが、実際にはなれないと思う」が47.7%、「働いてみたい、なれると思う」が29.5%で、両者を合わせると77.2%の者が「短時間正社員で働きたい」と回答している。
「今まで短時間正社員として働いた経験はあるか」という質問に対しては、「働いたことがない」が88.7%で圧倒的多数を占め、「働いたことがある」7.9%、「働いている」3.4%を大きく上回っている。
多くの者が短時間正社員を望んでいるにもかかわらず経験者は少ないのが現状のようである。その理由については、「事例が少ない」が55.5%で最も多く、次いで「上司・同僚の無理解」が53.8%、「就業規則による制限」50.1%、「業務サポート体制の不整備」47.6%、「人事評価制度の不整備」45.3%が多くなっている。このうち、「就業規則による制限」については、そもそも「短時間正社員制度を設けている企業が少ない」が89.6%と約9割に達している。
現況で最も望ましい働き方は何かと尋ねたところ、「短時間非正社員」が38.3%と最も多く、次いで「短時間正社員」が32.7%となっている。家庭の制約がなく100%仕事に時間を費やせることができるならば「フルタイム正社員」を望む者は62.2%で、多くの者が正社員の身分を望んでいる傾向がうかがえる。
労働力人口の減少の中、供給面からより多くの者が労働市場に参加しやすいような制度の構築が必要であるとともに、年金等の社会保障制度の観点からも、より多くの者が正社員の待遇で就労できるような制度を作っていくことが重要だ。短時間正社員の制度は産業と社会保障を安定的に維持していく上で不可欠な制度であると言える。(編集担当:久保田雄城)