放送の在り方、改革へ議論すべき時期と総理強調

2018年04月17日 06:11

 安倍晋三総理は政治的公平などを定めている放送法4条の改正はニュース報道の信頼性を損なうことになると懸念が指摘される中、16日の規制改革推進会議で「電波は国民共有の財産であるとともに、Society 5.0時代の重要インフラであり、時代の変化を見据えた有効活用を進めることが重要」とし「環境変化を捉えた『放送の在り方』について、改革に向けた方策を議論すべき時期にきている」と強調した。

 この日は放送を巡る規制改革が議題になった。会議資料では「技術革新で放送と通信の垣根が低くなってきている」としたうえで、放送メディアの市場規模がおおむね横ばいで経済成長率を下回っているのに対し、電気通信事業、国内動画配信事業は大幅に成長している。

 また、世界中で若者を中心にテレビ離れが進んでおり、テレビ広告費は横ばい、一方でネット広告費は伸長している。米国では2013年に地上波テレビ広告費と逆転している、などとしている。

 そのうえで「ネット配信進展のもとでの通信・放送(公共・民間放送)の枠を超えたモデルのあり方」「コンテンツ・ビジネスの競争促進とグローバル展開」などを検討し、電波の有効活用に向けた制度の在り方を探る。

 推進会議では放送法4条撤廃について明示はしていないが、今後の議論に注視が必要。推進会議は6月をめどに最終答申を取りまとめる方針だ。(編集担当:森高龍二)