内閣府の林幸宏規制改革推進室次長は3日の衆院総務委員会で、内閣府の規制改革推進会議は放送番組での政治的公平性を求めた「放送法4条」の撤廃について検討しているのかとの問いに「限定することなく、幅広く意見聴取している」と事実上、検討対象にしていることを認めた。希望の党の奥野総一郎議員の問いに答えた。
奥野議員は放送改革と言っているのに、所管の総務省やテレビ放送関係者を呼ばないなどということがあるのか、とも質し、世論に大きな影響力を持つテレビ・ラジオとネットを一緒に論じることはできない、と釘を刺した。また今後のスケジュール感を質した。
林次長は現在までの議論を踏まえ、7月までに答申と答えるとともに、放送法改正に関しては総務省から意見を聞く。テレビなどの放送に関して議論になった場合には放送事業者からヒアリングする必要がある、としたが、現在、進めているヒアリングについては「今はヒアリング前の段階での勉強だ」などと苦しい答弁に終始した。
一方、野田聖子総務大臣は「総務省の見解として、放送事業者は4条を含めた放送法の枠組みの中で、自主・自律で放送番組を編集することにより、重要な社会的役割を果たしてきたと認識している」と述べ「仮に放送法4条を撤廃した場合、公序良俗を害するような番組や事実に基づかない報道(虚偽のニュース)が増加する可能性が十分考えられる」と撤廃には反対の考えを示した。
また外資規制廃止に対しても「放送事業者は言論・報道機関としての性格を有しており、社会的影響力が大きいことを鑑みて設けられたものだ」と外資規制の意義を指摘し「これまでのところ、それが有効に機能してきたと認識している」と述べた。野田大臣の良識ある答弁となった。