真実語る勇気が行政の信頼回復に必要 石破氏

2018年05月09日 06:07

 自民党の石破茂元幹事長は7日のBSフジの番組で、国民の信頼を得るために必要なことは何かと問われ「正面から真実を語る勇気と真心だ」と提言した。

 政治不信を招いている最大要因になっている加計学園獣医学部創設を巡る国家戦略特区制度利用に当初から「加計ありき」でなかったのかの疑念や森友学園問題で国有地売却に異例を重ねたあげく、8億円の大幅値引きした背景など、不可解さは払拭されていない。疑惑を一層深める資料が続出している。

 加計疑惑を巡っては10日に柳瀬唯夫元首相秘書官を参考人招致し衆院予算委員会が開かれるが、柳瀬氏に対する国民の思いとも重なる提言だ。

 また直近のFNN世論調査で、安倍内閣を支持するが「38.3%」に対し、支持しないが「54.1%」と過半数を超える状況について、一番の要因を何と考えるかと聞かれ、石破氏は「総理の責任がどうのこうのということではなく、我々、与党みんなでつくっている内閣なので、(支持率回復のために)自分たちは何ができるのかということだと思う」と述べた。

 石破氏は「その際、党内でこう変えたらいいのでは、ということを全部封殺したら(支持率は)戻らない。こう変えたらいいのではという批判を『それは内閣に弓を弾くものだ』のような感じで封殺してしまうのは、結局、国民が支持できないカクカクしかじかに対し、答えることにならない」と安倍一強の下で自民党が有していた良い部分が大きく殺がれてきていることを懸念した。

 また石破氏は官僚についても苦言を呈した。石破氏は「政治全体が『誰の方を向いているのか』。官僚らが国民の方を向かないで、官邸の方ばかり向いている、と思っている人は間違いなく多い」と憂い、「官邸が国民の思っていることと違う場合、官僚が、それを止めますよというくらいの、官僚の矜持は必要だろう」と公務員の自覚を提起した。(編集担当:森高龍二)