加計学園「結論出た際、適切に説明する」文科相

2017年11月09日 06:05

 林芳正文部科学大臣は7日の記者会見で、学校法人加計学園の獣医学部新設認可について「大学設置・学校法人審議会で現在も審査継続中であり、認可の可否については控えたい。従来から答申は最大限尊重して判断したいと言ってきた。まず設置審の判断(答申)をうかがって、最終的な判断をしたい」と答えた。

 設置審の専門委員会は今月2日、おおむね了承との判断をしており、設置審として認可の答申をする可能性が高くなっている。

 林大臣は「答申後、申請の具体的内容、最終的な審査意見、審査過程において申請者に指摘した審査意見についても公表する。最終的な結論が出た際には、これらを含めて適切に説明する」と述べた。

 加計学園を巡っては安倍晋三総理を議長とする国家戦略特区で認可をする際に、官邸から働きかけがあったのではないかとの疑惑は払拭されていない。あわせて、2015年閣議決定した獣医学部新設の場合の4条件をクリアしたかどうかについても政府側からは客観的資料に基づく説明が行われてもいない。林大臣は「戦略特区で認可された段階で、新たなニーズに対応するものだと確認されていると認識している」とし、4条件クリアかどうか検証する考えはないことをうかがわせた。

 また市民団体からは校舎建設費を巡り課題申請しているのではないかとの提起やバイオハザードに対する懸念が指摘されており、校舎建設が進む愛媛県今治市では市に建設費やバイオハザードに対する検証を行う専門家による調査が始まったばかり。

 国会審議もさきの臨時国会冒頭での解散で、戦略特区での認可の経緯に対する不透明さを解消するための審議は止まったままになっており、このまま設置審の答申が「認可する」というもので、これに基づいて文科大臣が認可するとすれば、国民の政治不信は払拭されないままになる。(編集担当:森高龍二)