73回目を迎えた終戦記念日の8月15日、政府主催の全国戦没者追悼式が都内の日本武道館で催され、安倍晋三総理は式辞で「戦争の惨禍を二度と繰り返さない」と誓った。
しかし安倍総理は「戦争の惨禍を繰り返さない」と誓ったが、先の戦争への「反省」の言葉は式辞になかった。
安倍総理は国会答弁でも先の戦争に「侵略」という言葉は一切使っておらず、安倍総理の個人的意識の中では「反省」に結びつかない位置づけなのかもしれない。
ただ、A級戦犯を合祀する靖国神社へ自身が参拝することは見送った。中国、韓国など周辺国へ配慮したものとみられる。
式辞で安倍総理は「歴史と謙虚に向き合い、どのような世にあっても、この決然たる誓いを貫いてまいります」と述べ「争いの温床となるさまざまな課題に真摯に取り組み、万人が心豊かに暮らせる世の中を実現する。そのことに不断の努力を重ねてまいります。今を生きる世代、あすを生きる世代のために国の未来を切り開いてまいります」と述べた。
一方、「国民の象徴」として存在する天皇陛下は式典でのお言葉で『過去を顧み、深い反省とともに』という表現で周辺諸国へ先の戦争への反省の念を明確に示された。深い反省とのお言葉は4年連続の使用となった。
陛下はお言葉で「戦後長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、ここに過去を顧み、深い反省とともに、今後、戦争の惨禍が再び繰り返されないことを切に願い、全国民と共に、戦陣に散り、戦禍に倒れた人々に対し、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」と語られた。(編集担当:森高龍二)