韓国の全羅北道(チョルラブクド)・益山(イクサンシ)の駅前広場に8月15日、慰安婦を象徴する少女像が設置されるもようだ。慰安婦問題は一昨年末の日韓両国政府による「不可逆的・最終的合意」により、両国政府が合意事項を誠実に履行していくとともに、日韓関係において未来志向で緊密に意思疎通を図り、日韓関係を発展させることを日韓首脳会談でも、首脳同士が一致している。
こうした中で、設置が市民団体によるものであっても、新たに韓国内に設置され、終戦記念日の15日に除幕されるというのは両国国民の間に水をさすことになるのではないかと懸念される。
少女像設置は益山の複数の市民団体でつくる「建立市民推進委員会」が設置するもので、韓国・聯合ニュースは設置について「コレール(韓国鉄道公社)側が市民の意見を尊重し、広場内の設置を認めた、と推進委が説明した。今後は益山市とコレール、推進委が少女像設置のために協議していくという」と報じた。
益山の駅前広場については「益山駅は強制徴用された青年たちが戦場に、少女が慰安婦として強制的に連れて行かれた民族の苦難の歴史的現場」だとして、推進委が、この広場への設置を今年3月から目指してきたという。一方、広場への設置をコレールが認めた背景として、聯合ニュースは「当初、反対していたが、設置を認めないことに批判の声が高まり、方針を変えたもよう」と報じた。
終戦記念日に韓国で少女像が除幕され、日本では防衛大臣を引責辞任した稲田朋美氏がA級戦犯を合祀する靖国神社に参拝すれば、前防衛大臣が靖国参拝と騒がれ、北朝鮮対策で歩調を揃えているものの、日韓両国の国民感情に負の材料になることは避けられない。(編集担当:森高龍二)