日本酒 上位6社で市場の4割を占める

2012年01月26日 11:00

 日本酒メーカー523社の2010年度の総売上高は3161億700万円と前年度に比べ3.8%減少したことが東京商工リサーチの調査で分かった。71.1%(372社)が減収となった。また、税引き後の収益が分かった228社のうち、60社は赤字になっていた。

 東京商工リサーチでは「売上高上位20位までの大手メーカーでも増収はわずか1社にとどまり、日本酒業界の苦境は深刻」と分析。「日本酒業界は市場縮小のなかでブランドや知名度、過去の歴史に依存するだけでは経営が厳しくなっている」とし「日本酒カクテルなど新しい飲み方の提案や積極的な海外市場の開拓など、これまでの概念から脱却した新しい営業戦略が急がれる」と提言している。

 ちなみに売上高のトップは白鶴酒造(340億4700万円)。2位は月桂冠(294億100万円)。3位は大関(225億7700万円)で、上位6社で業界シェアの39.6%を占める「寡占状態」になっていた。

 日本酒伸び悩みの要因として「景気低迷、デフレなどを背景に消費者の低価格志向が強まっていること」「若年層を中心にアルコール離れが進んでいること」などがあがった。(編集担当:福角忠夫)