2016年3月に「女性活躍推進法」が施行され2年が経過した。従業員数301名以上の企業は、女性活躍推進に向けた行動計画の策定と公表などが義務付けられ、300人以下の中小企業も努力義務が課されている。
人材サービス業のエン・ジャパンが自社の運営するサイト上で企業の人事担当者を対象に「女性の活躍推進」についてのアンケート調査を6月下旬から7月に実施し、8月にその集計結果を公表している。
「女性社員の活躍・定着に取り組んでいるか」という質問に対して、「取り組んでいる」と回答した企業の割合は52%で、企業規模別でみると従業員数301名以上が66%。従業員数300名以下では49%という結果となっている。
「取り組んでいる」と回答した企業に取り組みの内容を尋ねたところ、「出産・育児をサポートする福利厚生制度の充実」が67%で最も多くなっており、次いで「時短勤務・テレワークなどの勤務形態の多様化」が52%、「管理職への積極登用」が44%、「ポジティブ・アクションによる女性社員の採用」34%、「結婚・出産に対する再雇用制度の導入」27%などの順となっている。全体としてワークライフバランスを考慮した「福利厚生制度の充実」と「勤務形態の多様化」が目立っているようだ。
「課題と感じていることは何か」という質問に対しては、「女性社員の目標設定」が45%で最も多く、次いで「女性社員の体力」が38%、「女性の意識」が37%、「女性社員の評価」が33%などという順になっている。働き続ける女性が増える中で具体的な目標設定をどうするか、未だモデルケースが少なく、これを課題と感じている企業が増えているようだ。
「女性社員の活躍・定着への取り組みは、企業業績を高めることに影響があると思いうか」といった質問に対しては、「影響がある」と回答した企業は67%と約7割に達した。前回16年調査では54%であり、取り組みをよりポジティブに捉えるようになってきている様子がうかがえる。
また、「影響がない」「わからない」と回答した者のコメントを見ると、中小企業を中心に「性別に関係なく、意識と能力がある者が活躍できれば良い」ともともと性差にこだわっていないコメントも目立っている。(編集担当:久保田雄城)