老人福祉法によって9月15日は老人の日と定められている。現在では祝日法によって9月の第3月曜日が敬老の日として国民の祝日となっている。全国の自治体では9月全体を敬老月間などとして様々なイベントが行われている。
16日、総務省統計局は「敬老の日」に関連し「統計からみた我が国の65歳以上の高齢者のすがた」について取りまとめ、これを公表した。
65歳以上の高齢者の人口は2018年9月15日現在で3557万人、前年と比較すると44万人の増加となっている。男女別にみると、男性は1545万人、女性は2012万人で女性の高齢者人口が初めて2000万人を超えた。高齢者では女性が男性より467万人多い。総人口に占める高齢者人口の割合は28.1%で、前年の27.7%より0.4ポイント増加し過去最高となった。
70歳以上の高齢者人口は2618万人で総人口の20.7%となり初めて20%を超えた。これは団塊の世代70歳に達し始めたことによるものと厚労省では分析している。
高齢者の就業者数は14年連続で増加し続け17年には807万人と過去最多を記録している。就業率を男女別に見ると、男性が31.8%、女性が16.3%で男女共に6年連続で増加し続けている。15歳以上の就業者総数に占める高齢者の割合は12.4%と過去最高となった。資料にある1989年から30年にわたり男女ともに上昇傾向で推移しており、特に12年以降は上昇傾向が高まっている。
産業別でみると、「卸売業,小売業」が125万人と最も多く、次いで「農業,林業」の99万人、「製造業」が92万人、「サービス業」91万人の順になっている。産業別に高齢就業者の割合をみると、「農業,林業」が49.3%と最も多く、次いで「不動産業,物品賃貸業」が24.0%、「サービス業」が21.2%と続く。
高齢者の総人口に占める割合を世界の中で比較すると、日本が28.1%と最も高く、次いでイタリアの23.3%、ポルトガル21.9%、ドイツ21.7%という順になっている。特に女性の割合31.0%は世界の女性高齢者の割合9.9%の3倍以上だ。
主要国でみると、高齢者の就業率は10年前と比べ増加しており、カナダでは4.9ポイント、イギリス、ドイツ及び日本は3.3ポイントの増加となっている。17年の日本の高齢者の就業率は23.0%であるが、これは主要国の中で最も高い。
日本は世界の中でも超高齢化社会であることは間違いない。しかし、高い就業率など労働力問題としては適切な対応が行われているとも言えるが、社会保障制度の適正化によって幸福度の高い高齢社会にしていかなければならない。(編集担当:久保田雄城)