日産自動車株は10月11日、同社の栃木工場が1968年の操業から50年の節目を迎えたと発表しました。栃木工場は同社の主力工場で、高価格帯車両の生産を担うほか、鋳造部品やアクスル系の生産も実施している工場だ。
日産の国内工場において最大面積、292万2000平方メートルを誇る工場敷地内では、同社の代表的なスポーツカーであるNISSAN GT-RやフェアレディZをはじめ、伝統の名車スカイラインやフーガ、海外向けブランドであるインフィニティの生産を行なっている。同工場では、難度の高い革新的な生産プロセスや工法の開発を絶えず導入しながら、質の高い生産体制の確立に取り組んでおり、これまでの累計生産台数は983万台にのぼる。
栃木工場は1968年に鉄の鋳造、翌年にはアクスルの機械加工・組立を開始し、1971年には組立工場の完成に伴い、車両の最終組立までを行う一貫生産体制を確立した。
これまで初代セドリック、グロリアの生産からシーマやステージアなど、日産を代表する数々の車両を生産してきた。
1973年には、日産自動車の国内工場としては、唯一となる開発専用のテストコースが併設され、筆者も恵まれて何度か日産車を走らせたことがある。施設には全長6.5kmの高速周回コースや、高速散水路や石畳などのほか、一般道に模した評価路など、さまざまな環境・条件を想定したコースが備わっており、より安心・安全で高品質な車両の開発に貢献している。
2001年からは、東京村山工場の閉鎖に伴って旧プリンス系ブランド車両であるスカイラインなどの生産も移管され、おもにFR車ないしFRベースの4WD車を生産している。
また、1989年から生産されている高級輸出ブランド「インフィニティ」のマザー工場として、同ブランドを生産する中国・アメリカ・イギリス・メキシコ工場の品質のベンチマークとなる。
生産事業担当の副社長である坂本秀行は、「栃木工場は、お客さま、ディーラー、サプライヤーのご支援と従業員の弛まぬ努力により、50年の節目を迎えることが出来ました。これまで、日産を代表する高級車やスポーツカーの生産に取り組み、様々な生産工程の開発を確立してきました。今後も新しい生産工程技術の積極的な導入により、新時代の車両生産工場として、日産自動車の高い品質を牽引していきます」と述べたという。(編集担当:吉田恒)