執行停止なら内閣の自作自演で不当と沖縄県知事

2018年10月18日 10:04

 沖縄県の玉城デニー知事は沖縄防衛局が辺野古沖埋め立て承認の取り消し措置に国土交通大臣に対して行政不服審査法に基づく審査請求と取り消しの執行停止を申し立てたことに「仮に執行停止決定がなされれば、内閣内部の自作自演の極めて不当な決定と言わざるをえない」と政府に対話するよう強く求めるコメントを17日発表した。

 玉城知事は「12日の安倍晋三総理や菅義偉官房長官との面談で対話による解決を求めたにも関わらず、わずか5日後に対抗措置を講じた国の姿勢は知事選挙で示された民意を踏みにじる」と国の対応を強く問題とした。

 玉城知事はさきの知事選挙で辺野古への新基地建設に反対することを明確にし、自民・政府総力戦での相手候補に8万票の大差をつけて初当選している。

 玉城知事は「国が行政不服審査制度を用いることは制度の趣旨を捻じ曲げたもので、違法」と指摘。「法治国家であるまじき行為と断じざるをえない」としている。

 そのうえで「平成27年の前回の承認取り消しの際にも沖縄防衛局は国の一行政機関であるにも関わらず、自らを国民と同じ『私人』であると主張し、審査請求と執行停止を申し立てた。そして国土交通大臣は約2週間で執行停止の決定を行った。仮に執行停止決定がなされれば、内閣内部の自作自演の極めて不当な決定と言わざるをえない」と述べ、政府に対話の場を設けるよう強く求めている。(編集担当:森高龍二)