アウディ、次シーズンに向けて新型フォーミュラEマシン「Audi e-tron FE05」を発表

2018年10月31日 06:19

Formula E, Mallorca Test

2017/2018シーズンにチームタイトルを獲得したチーム・アウディは、来シーズンに向けてリアウイングが無い斬新なニューマシン「Audi e-tron FE05」を公開

 アウディは、来シーズンに挑むフォーミュラEのニューマシンAudi e-tron FE05を発表した。

 電気自動車(EV)によるモータースポーツの最高峰「フォーミュラE」2017/2018シーズン4に、アウディはドイツの自動車メーカー初のワークスチーム「Team Audi Sport ABT Schaeffler」(チーム アウディ スポーツ アプト シェフラー)としてAudi e-tron FE04で参戦。2017/2018シーズン4には、チームタイトルを獲得した。2018年12月15日、サウジアラビアのディルイーヤで開幕するシーズン5に、チーム・アウディはニューマシンのAudi e-tron FE05で参戦、チームタイトルとドライバータイトルの2冠獲得に挑戦する。

 フォーミュラE2018-2019シーズン、レギュレーションなどが劇的な進化を遂げる。まずはバッテリーが45分間のレースを走り切るだけの容量を備えた。そのため、レース中にマシンの乗り換えがなくなり、1台のマシンで戦うことになる。さらに決勝レースでは出力は200kW(272hp)に制限されるが、今シーズンから225kW(306hp)のハイパワーを一時的に使用できるアクティベーションゾーンと呼ばれる区間を設置、激しい追い比べが期待できる。また、従来どおり「ファンブースト」と呼ばれるファンによるオンライン投票で、上位3名に選ばれたドライバーは、レース中に1度だけ出力を最大250kW(340hp)に引き上げることが可能だ。

 アウディのニューマシン、Audi e-tron FE05はドライブトレインパーツの95%を新設計し、10%の重量削減に成功した。基本的なコンセプトは変わらないが、エクステリアデザインは大きく見直した。まず、マシンに、これまで常識だったリヤウィングが無いのだ。これは空力を重要視するフォーミュラカーにおいて、非常に挑戦的で、画期的なことだ。ダウンフォースはマシンの後部にある大きなディフューザーが担う設計となった。

 フォーミュラEのシーズン5は、世界の12都市で、13回のレースが行なわれる。前述のとおり開幕戦はサウジアラビアのディルイーヤで、最終戦は2019年7月中旬にニューヨークで行なわれる。さらに、マラケシュ(モロッコ)、メキシコシティ(メキシコ)、香港(中国)、ローマ(イタリア)、パリ(フランス)、モナコ、ベルリン(ドイツ)を転戦する予定だ。決勝レースは45分間+1周で争われ、ほとんどのレースは市街地中心部の公道で開催される。

 2018 -2019シーズンには、アウディ・ワークスチームに加えて、イギリスのVirgin Racing(ヴァージン・レーシング)がAudi e-tron FE05で参戦する。(編集担当:吉田恒)