失踪外国人実習生からの聴取票開示は困難と総理

2018年11月14日 05:53

 安倍晋三総理は13日の衆院本会議で立憲民主党の山尾志桜里議員から2017年に失踪した外国人技能実習生2892人から失踪理由を聴取した聴取票をプライバシーにかかる部分に配慮したうえで、失踪原因の分析と解決策立案のために提出するよう求められ「聴取票そのものの開示は困難であることに理解いただきたい」と述べ、開示できないとした。

 一方で「聴取票を取りまとめた結果の公表については、調査項目、結果の内容も含め慎重に検討中だ」と答えた。

 安倍総理は「聴取票の取り扱いについては、刑事訴追を受ける可能性のある者から任意の聴取を行ったものであり、今後の調査などへの甚大な影響や個人のプライバシー保護の観点から聴取票そのものの開示は困難であることにご理解いただきたい」と答えた。

 外国人実習生が被害を受けている実態について安倍総理は「承知している」と答え「在留管理を抜本的に強化し、技能実習制度の適正化と技能実習生の保護を図っていく」と答えた。

 山尾議員はこの日「最低賃金以下、契約賃金以下の支払いしか受けられなかったと訴えた(外国人技能実習生の)人数は、本当はそれぞれ何人なのか、失踪者が激増しているという異常な状況のなか、政府はいつ、この貴重な聴取結果を分析し、公表するのか」と質した。(編集担当:森高龍二)