全ての事業所を対象に「有給休暇を取得させる義務」法制度化

2019年02月04日 07:04

画・全ての事業所を対象に「有給休暇を取得させる義務」法制度化

有給休暇を取得させることが雇用する側の義務になった。働き手にとってメリットばかりの制度かというと一概には言えない。会社側と労働者側の有給希望日が一致しない可能性や、休暇を取ることにともなって業務を調整する必要などの課題が生まれることも予想される。

 2019年4月1日から有給休暇が義務化する。従業員を雇用している全ての事業所が対象となり、フルタイム勤務の労働者だけでなくパートタイマーも例外ではない。

 これまで有給休暇は、取得することが労働者の権利という位置付けであったが、今回の法改正では、取得させることが「会社の義務」になった。つまり、有給休暇が付与されている労働者に有給休暇を取得させなければ会社は罰せられることになる。

 有給休暇はフルタイムで6ヶ月以上勤務し、出勤の割合が8割を下回らない場合に10日付与される。パートタイマーも、勤続年数と出勤日数に応じて付与の対象となる。取得にあたっては会社側に理由を提示する必要はない。

 しかし、日本では有給休暇の取得率が5割を下回っているというデータがある。有給休暇の取得率の低さや長時間労働などに関しては13年に国連から是正を求められたこともあり、働き方改革が大きな課題となっていた。今までの労働のあり方では生産性が低下しているということが問題となり、20年までには有給休暇の取得率を7割まで上げようという目標が掲げられていた。

 今回の働き方改革関連法の成立にあたって、有給休暇を年に5日取得させることが会社の義務となった。この制度では、この5日分の有給休暇は取得日を会社が指定する。すでに5日取得済みの場合は対象とはならないが、有給休暇を取得していない労働者に対しては付与から1年以内に会社側で休暇日を指定して取得させるのだ。

 ここで問題になるのは、どのタイミングで休暇を取得させるかという点である。労働者側の希望通りに有給休暇が取れることを保証するものではないため、労働者が有給を取ることがこれまで困難な風土であった事業所においては、不具合も起こることが予想される。もちろん業務に支障が出ては生産性の向上という本来の目標が果たせない。個人の業務に関することだけでなく、事業所全体や取引先との兼ね合いもある。
 
 休まず労働に従事することをよしとするこれまでの考え方から、いかに効率的に休暇を取りながら業務を行うかという問題を考えることに転換する必要があるだろう。また、それを実現させる社会全体のシステム作りが必要になると考えられる。(編集担当:久保田雄城)