災害による停電を経験4割超。エネルギーミックスで安定供給を

2019年02月18日 07:08

画・災害による停電を経験4割超。エネルギーミックスで安定供給を。

トレンド総研が「電力の需要と供給」に関する意識・実態調査を実施。予期せぬ停電の経験者は半数以上、うち8割以上が災害による停電。電力供給の安定を図るうえで「エネルギーミックス」が重要。

 昨年9月に起こった北海道胆振東部地震では北海道全体が停電するというブラックアウトが発生した。また、10月には九州電力による再生可能エネルギーの出力制限があり、天候や気象の状態が電力の供給に大きな影響を与えることが明らかとなって、にわかに電力の安定供給の問題に人々の関心が集まるようになった。

 12日、トレンド総研が20~50代男女500名を対象に1月に実施した「電力の需要と供給に関する意識・実態調査」の結果を公表している。これまでに「予期しない停電」を経験したことがある者は55%存在し、このうち震災・台風・落雷などの自然災害で停電を経験したことがあると回答した者は82%となっている。予期しない停電は自然災害によるものが大半のようである。

 また、「2018年度は災害が多い年だったと思う」と答えた者は94%で、「2018年度は災害による停電のニュースが多い年だったと思う」と回答した者は79%と約8割にのぼり、気象条件と電力供給の問題を認知している者は多いようである。一方で「電気は需給バランスが崩れると広域停電が発生する可能性がある」ことを知っていた者は54%にとどまっており、近年の電力供給のトラブルがどのような背景を持つかは十分には認識していないようだ。

 電力は常に需要と供給を一致させ配給する必要がある。需給ギャップが極端になると周波数制御が不可能となるからだ。九州電力による再生エネ出力制限は、近年の太陽光発電の増加が背景にある。電力需要が減る秋に晴れの日が多かったために生じた太陽光発電の供給過剰が原因だ。再エネ発電は天候に左右され出力調整が難しい。これを有効活用するためには電力供給システムの柔軟性を高める必要がある。この方策として提唱されているのが「エネルギーミックス」という考え方である。

 東京大学生産技術研究所の岩船由美子特任教授の解説によれば「エネルギーミックス」とは「一つの燃料や発電種類だけに頼るのではなく、いろいろバランスよく組み合わせていくこと」である。火力発電は出力調整しやすいがコストが高い。原子力や石炭は出力調整が難しいが低コストである。再生可能エネルギーは環境負荷が小さいが天候に影響を受け出力調整は難しい。これら複数の方法を最適に組み合わせて電力供給システムを再構築していこうというのが「エネルギーミックス」だ。

 岩船教授は「再エネの出力制御は、これからも頻繁に起こるが、出力制御を許容することで、再生可能エネルギーはより導入されやすくなるともいえる」とも指摘している。(編集担当:久保田雄城)