原発稼働「原則40年」がなし崩しに空文化されつつある。原子力規制委員会は7日、半径30キロ圏内に約96万人も居住する日本原子力発電東海第2原発(茨城県)について、最大20年の運転期間延長を認めた。2038年11月まで運転可能となる。原則破りの20年延長原発は全国で4基目となる。
日本電源が、原発稼働から40年を経過するため延長を求めていた。ただ再稼働には地元同意が必要で、日本原電は6自治体と再稼働の事前了解を得る協定を結んでいることから再稼働へのハードルは高い。
延長が認められたことに原発ゼロを目指す社会民主党の吉川はじめ幹事長は「本来、40年ルールは、老朽化した原発の過酷事故を防ぐためのルールであり、住民の命と安全を守るためにもこのルールを厳格に適用し、東海第二原発は廃止しなければならないのであって、老朽・披災・超危険原発である東海第二原発の再稼働は断じて認められない」との談話を発表。
この中で「規制委員会の認可は再稼働ありきの審査であり、すでに設置変更申請の審査書に対するパブリックコメントで国民から寄せられた1259件にも上る意見や疑問、再稼働反対の声に応えていないことを強く非難する」と述べ「認可決定の取り消しと東海第二原発の審査をやり直し」を強く求めている。
また「至近距離に立地する高レベル放射性廃棄物が保管された東海再処理工場との複合災害の危険性、可燃性ケーブルの防火対策不備、地震の耐震強化工事の不備など、大事故につながる数々の問題点が山積している」とも指摘。
吉川幹事長は「日本原電と原発に隣接した6市村が3月に締結した新安全協定には実質的な事前了解権が明記されており、周辺住民の多くが再稼働に反対するなかで、住民の民意を無視するような再稼働は断じて認められない」と、再稼働しないよう再稼働阻止と廃炉の実現に向け全力をあげるとした。
一方、日本原電は「一連の許認可内容をしっかり安全性向上対策に反映し、安全性を一層向上させるとともに、これらの取り組みを自治体、地域の皆様方に丁寧に説明してまいります」とするコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)