日産、カーシェアサービス「NISSAN e-シェアモビ」で初のワンウェイ運用を開始

2019年02月05日 06:04

Nissan e-Share mobi

日産自動車は福島県浜通り地域に日産リーフを使った、カーシェアリングサービスの拠点として「浪江駅ステーション」に次ぐ2カ所目の「富岡ステーション」を開設。相互のワンウェイ運用もできるようになった

 日産自動車は1月31日、福島県浜通り地域に新たなカーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」の拠点、富岡ステーション(福島県双葉郡富岡町)を開設した。昨年12月に開設した浪江駅ステーションに続き、浜通り地域で2カ所目となるステーション開設によって、「NISSAN e-シェアモビ」として初めてワンウェイ(片道)運用も開始することとなった。

 カーシェアリングサービス「NISSAN e-シェアモビ」は、公益財団法人福島イノベーション・コースト構想推進機構の「福島イノベ交通ネットワーク実証事業業務」のプロジェクト「はまモビ」の受託に伴い、12月18日より福島県浜通り地域等での実証実験としての運用を開始していた。今回、「はまモビ」として2拠点目のステーション開設となる。

 富岡ステーションはまず、ラウンドトリップ(往復利用)とワンウェイ(片道利用)各2台、計4台で運用する。使用するクルマは、先進・安全装備を搭載した日産の電気自動車リーフ。また、今回の富岡ステーション開設に伴い、すでに浪江駅ステーションで運用を開始しているラウンドトリップの「日産リーフ」4台についても、ラウンドトリップ2台(24時間)、ワンウェイ2台(5:00-23:00)へと運用方法を変更する。

 これまでのラウンドトリップに加え、ワンウェイ運用を開始することで、借用時とは別のステーションへの車両返却が可能となり、より利便性が高まる。

 浪江~富岡間は、東日本大震災の影響により、現在でもJR常磐線の不通区間だ。「NISSAN e-シェアモビ」の開設により、福島イノベ構想に関連する施設・拠点間の移動はもちろんのこと、浜通り地域を訪れた来訪者の移動手段としても活用できる。

 福島イノベーション・コースト構想(福島イノベ構想)は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の復興・再生、新たな産業基盤の構築を目指して取り組んでいる国家プロジェクト。今回の実証事業は、福島イノベ構想に関連する施設・拠点間や常磐線不通区間を結ぶ新しい交通ネットワークを形成し、地域産業の集積と交流人口の拡大・推進を目的として実施する。

 日産は、この実証事業を通じて福島県でのカーシェアリングの導入効果や事業採算性、今後の持続的な実現に向けての課題と対策を整理し、福島イノベ構想へ提案する計画だ。

 これまで日産は、福島県双葉郡の8つの町村への多目的小型商用車「NV200バネット」の寄贈、いわき市や広野町、楢葉町、浪江町における従業員ボランティア活動の実施、浪江町での電気自動車の使用済みバッテリー再製品化専用工場(フォーアールエナジー株式会社浪江事業所)の開所など、福島県の復興に向けた様々な活動を取り組んできた。今後も、さまざまな分野での取り組みを共に進めていくとしている。(編集担当:吉田恒)