国公私立の大学と短大、高等専門学校で構成する就職問題懇談会は25日、経済団体や企業団体など学生を採用する企業等に対し、経済団体や企業団体を通して学生が安心して学業に専念できるよう、学修環境の確保を前提とした採用選考活動と職業選択の自由を妨げる行為やハラスメント的な行為を行わないよう要請した。
2020年度採用活動については広報活動の開始は「卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降」、 採用選考活動は「卒業・修了年度の6月1日以降」、正式な内定日は「卒業・修了年度の10月1日以降」とすること。
また「採用選考活動開始前に早期の採用の『内々定』を出すことも、学生の学修環境に強い影響を及ぼすこととなるので実施しない」ように要請している。
また企業等が学期期間中に採用選考活動を実施する場合について授業、試験、留学、教育実習等と採用選考活動が重複する場合は、学生からの求めに応じ、個別的な採用選考日時の変更など必要な対応を明示的に行うことや(1)土日祝日や平日の夕方の活用も取り入れるなど学生の学修環境を損なうことのないよう極力柔軟に対応すること。
(2)大学等の所在地や学生の居住地が遠方である場合などにはそのことが採用選考において不利とならないよう配慮すること(3)東京オリンピック・パラリンピックの開催が予定されているため、面接や試験の実施に際して地方の学生が宿泊施設を手配する際に困難を伴うことや面接や試験の予定日が学生ボランティアの研修日程等と重複すること等の事態も想定されるので、学生個々の事情に十分配慮して、採用選考に柔軟な対応を行うことを求めている。
また(1)正式内定開始日前に内定承諾書、誓約書をはじめとした内定受諾の意思確認書類の提出を求めること(2)6月1日以降の採用選考時期に学生を長時間拘束するような選考会や行事等を実施すること(3)自社の内々定と引き替えに、他社への就職活動を取りやめるよう強要することなど、学生の職業選択の自由を妨げる行為や学生の意思に反して就職活動の終了を強要するようなハラスメント的な行為は厳に慎むことなども要請した。(編集担当:森高龍二)