下北道路めぐる問題、塚田副大臣続投させる考え

2019年04月05日 07:03

 安倍晋三総理のおひざ元「山口県下関」と麻生太郎副総理兼財務大臣のおひざ元「北九州市」を結ぶ『下関北九州道路』(下北道路)を巡り、塚田一郎国土交通副大臣が「私は忖度する。(この事業の調査を)国直轄の調査計画に引き上げた」などと語り、発言の問題が表面化すると「一連の発言は事実と異なる。撤回し、謝罪する」としていることに、「撤回や謝罪で済む問題ではない」と野党から辞任要求や総理への罷免要求が出ているが、これには4日も応じない姿勢を見せた。

菅義偉官房長官は4日の記者会見で記者団から政府としての考えを問われ「塚田副大臣からは事実と異なる発言だったので訂正し、謝罪した旨の発言があり、わたしは説明責任をしっかり果たすように、また二度とこのようなことがないように(塚田副大臣に)厳重に注意した」と述べた。

 そのうえで、菅官房長官は「総理も国会で(野党の要求に)説明責任を果たしながら、引き続き、職責を全うしてもらいたいと答弁している。今後とも本人から丁寧な説明が必要と考えている」と続投させる考えを述べた。

 社会民主党の吉川はじめ幹事長は4日「(塚田副大臣は)発言を撤回し、謝罪したが、統一自治体選挙の最中に、地元への利益誘導にあえて触れ、自らの陣営が推す候補の戦いを有利にしようとして、事実と異なることを発言したというのであれば、利益誘導まがいのウソをついて票を集めることをやったことになる。ウソをついて有権者を欺こうとする副大臣の下で、法案審議はできない。即刻、罷免をするよう求める」との談話を発表。

 日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「辞めさせるのは当然だが、辞めればすむ問題ではない。政治を私物化して恥じるところのない安倍政権の体質がむき出しになった発言だ。居直る首相に対し国民の厳しい審判が必要です」と発信した。(編集担当:森高龍二)