2019年世界ラリー選手権(WRC)第7戦ラリー・ポルトガルの競技最終日が6月2日に行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(ヤリスWRC 8号車)が優勝した。
また、前日のデイリタイアから、ラリー2規定に基づき再出走を果たしたヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(10号車)は、総合7位で完走した。なお、総合2位につけていたクリス・ミーク/セブ・マーシャル組(5号車)は、最終ステージでリタイアとなり、完走を逃した。
ラリー・ポルトガルの最終日は、サービスパークが置かれたマトジニョスの東北エリアで5本、計51.77kmのステージがドライコンディションのグラベル(未舗装路)で行なわれた。タナックは、総合2位のミーク(5号車)に対し4.3秒のリードを持って最終日をスタートしたが、オープニングのSS16でミークがベストタイムを記録。これにより、差は2.4秒まで縮めた。しかし、続くSS17、SS18で連続ベストタイムを刻み、リードを8.1秒に拡大。その後2本の3番手タイムでリードを最後まで守り抜き、今シーズン3勝目を飾りました。また、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージで3番手タイムとなったことで、ボーナスの3ポイントを獲得。その結果、ドライバー/コ・ドライバー選手権における首位との差は、僅か2ポイントに縮まった。
ラトラバの10号車は前日2日目におけるサスペンショントラブルでデイリタイア後、ラリー2規定により総合11位で再出走を果たし、落ち着いた走りで順位を上げ、総合7位でフィニッシュ。貴重な選手権ポイントを獲得した。なお、ミークはSS16でベストタイムを記録し、続く2本のSSではタナックに次ぐ2番手タイムで、総合3位の選手に対するリードを10秒に広げました。しかし、SS19でスピンを喫して総合3位に順位を下げ、さらに最終ステージのSS20ではスタート後すぐ、コーナーのイン側にあった切り株に当たってクルマにダメージを負いリタイヤした。
WRC第7戦を終えてマニュファクチャラーズランキング首位はヒュンダイで202ポイント。チーム・トヨタは2位に着けており182ポイントだ。ドライバーズポイントトップはシトロエンC3のセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組の142ポイントだ。前述のように、追いかけるチーム・トヨタのオィット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組は、140ポイントとなった。
WRC次戦は、6月13日から16日にかけて開催される、第8戦ラリー・イタリア サルディニアだ。地中海のサルディニア島北部を舞台に、中高速のステージが続くグラベルラリー。全体的に道幅が狭く、非常にトリッキーなステージが多く、精度の高いハンドリングとドライビングが求められる。(編集担当:吉田恒)