「第13回キッズデザイン賞」受賞作品264点が発表。今年も多彩な作品が出揃う

2019年08月25日 10:13

画・育休2年延長、74%の企業が「良い法改正」と評価

毎年、応募された多彩な製品やサービス等をみると、その年の世相なども反映されていて非常に興味深い

 8月23日、恒例となったキッズデザイン賞の受賞作品が発表された。キッズデザイン賞とは、2007年から毎年、特定非営利活動法人キッズデザイン協議会が主催している「子どもや子どもの産み育てに配慮したすべての製品・サービス・活動・研究を対象とする顕彰制度」で、第13回目となる今年は、全国の企業、自治体、教育機関、NPOなど様々な団体から437点の応募があり、その中から264点が受賞作品に選ばれた。

 キッズデザインという名称から、デザイン性の高い子ども向け製品に贈られるものと思いがちだが、ここでいうデザインは意匠的なものにとどまらず、製品、空間、サービス、活動、研究など、子どもや子育てに関わる社会課題解決に取り組む「制度」や「取り組み」などの広義のデザインまで含まれている。また、子ども向けのものだけでなく、一般向けに開発されたものでも、子どもや子育てに配慮されたものであれば、すべてが評価の対象となっているのが特徴だ。

 毎年、応募された多彩な製品やサービス等をみると、その年の世相なども反映されていて非常に興味深い。主催者によると、13回目となる今回は保育・教育関係の施設や、保育従事者の負荷軽減につながる製品やサービス、個々のライフスタイルに合った新たな視点のサービスや、防災対策に関する応募が多くみられたという。

 例えば、保育・教育関連の施設では、福井県の「子どもを育む巣箱 ときなる」などがある。同施設は、同県で衣料品、栄養補助食品、化粧品の製造・販売を行う株式会社グラント・イーワンズが運営する、2018年4月に誕生したばかりの木育施設。ヒノキ造りのボールプールや木製キッチンなど、木の遊具やおもちゃで子どもたちと親が自由に遊べるだけでなく、ボランティアのサポーター制度なども導入しており、親だけでなく、子どもとお年寄りなど多世代交流の場にもなっている。楽しく遊びながら、子どもたちのコミュニケーション能力を育める、とても魅力的な施設だ。

 木といえば、キッズデザイン賞の常連でもある、株式会社アキュラホームが「子どもたちの創造性と未来を拓くデザイン部門」で受賞した、カンナ削りの木のストロー「AQURAS」も面白い。この「木のストロー」は、木造住宅メーカーであるアキュラホームが世界で初めて開発に成功したもので、カンナ削りの技法を用いて国産間伐材などを厚さ0.15㎜にスライスし、ストロー状に丸め上げて作られている。国産間伐材を主材料とし、間伐材の活用を促進することで、森林環境の整備保全や減災にもつながるほか、世界中で問題となっている廃プラスチックの海洋汚染などの解決にも貢献するものとして世界でも注目されており、今年6月に開催されたG20大阪サミットの会場でも採用されている。このストローを使用することで、あたたかな木のぬくもりを五感で体感できるとともに、子どもたちが未来を考えるきっかけとなるのではないだろうか。

 他にも、公益社団法人日本ストリートダンススタジオ協会と名古屋学院大学リハビリテーション学部の佐藤菜穂子准教授らが共同開発した「足が速くなるダンス」や、子供向けイベントの企画・運営を行うキッズシーズ株式会社が開発した「ぬっておさかなAR」、さらには、タイガー魔法瓶株式会社の、ほったらかし調理をウリにした「圧力IH炊飯ジャー JPK型」など、受賞作品は実に多彩だ。

 受賞作品に共通して感じるのは、どの作品にも優しさと思いやり、そして工夫が溢れているという点だ。また、本業の製品だけでなく、アキュラホームの木のストローように、本業や職人が培った技術を活かしたイノベーションも多く、次代に継承する意味でも大変興味深いものが多い。

 最優秀賞「内閣総理大臣賞」など優秀作品の発表と表彰式は 9月25日に行われるが、今年もどれが選ばれても相応しい作品が出そろったのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)