韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領側近の不正疑惑がマスコミで盛んに取り上げられる一方、外国人労働者の在留資格をめぐり法務省に口利きする見返りに企業に金銭を求めたとの疑惑が週刊文春に報じられて後、厚生労働政務官を辞任した自民党・上野宏史衆院議員=総裁派閥・細田派所属2期目=に対するマスコミの取り上げはほとんどない。
追及しないマスコミ、特にテレビ局に対する批判や政府として事実関係について調査しない姿勢を見せた菅義偉官房長官に批判もでている。菅官房長官はこの案件に「(上野氏が)自ら襟を正して説明責任を果たすことが大事だ」と上野議員が記者会見を開いて説明責任を果たすべきだとの考えを示した。
一方、政府として調査しない考えを示し「法治国家なので(警察や検察など)そこで対応されるだろう」と述べた。
立憲民主党の長妻昭代表代行は「なぜ辞任したのか、不正を認めたのかどうか、事情を説明していただく必要がある」と説明を求めるとともに、「調査しない」とする政府に「なんでやねん」とツイッターで疑問を投げた。
また蓮舫副代表も「調査しない?」と疑問符をつけ、ツイッターに書き込みした。蓮舫副代表は「音声もある。元秘書の証言もある。法務省職員に問い合わせるだけでそれが事実か否か確認できるというのに、調査しない。『あっせん利得罪』の疑惑があるものを『本人の説明責任』で済ませるのを許してはいけない」と事実確認をするよう求めている。
疑惑を報じた週刊文春によると、上野氏は口利き1件に2万円の報酬を取ろうとしたとしており、秘書から「これ、あっせん利得になっちゃいますよ(あっせん利得処罰法違反になる)」とたしなめられる場面も指摘されている。上野氏は内容を否定。説明のための記者会見は開いていない。国民にとって国内の厚労省政務官に不正があったのかどうかの方が知りたい情報だ。(編集担当:森高龍二)