自民の上野氏に厚労政務官辞任で済む話ではない

2019年08月29日 06:48

 外国人労働者の在留資格をめぐる法務省に口利きする見返りに企業に金銭を求めたとの疑惑が報じられている自民党の上野宏史厚生労働政務官=衆院比例南関東、総裁派閥の細田派所属2期目議員=が辞表を提出。政府は28日、持ち回り閣議で辞任を認めた。

 立憲民主党の長妻昭代表代行は「政務官を辞めれば無罪放免という意識が政府にあるならとんでもない」と指摘。閉会中審査で上野氏を招致して疑惑を明らかにすべきと記者団に答えた。蓮舫副代表は「説明もせず政務官を辞めて済む話ではない。政治家が役所への口利きの見返りに金品を受け取る行為は、あっせん利得処罰法で禁じられている」とツイッターで提起した。

 日本共産党の小池晃書記局長もマスコミ取材に「口利きは言語道断で、政務官辞任は当然だが、それですむ話ではない。国会議員としての資格が問われる問題。上野氏には国民に対して説明する責任があるし、所属政党である自民党の責任も問われる」と話したことをツイッターで発信した。

 疑惑を報じた週刊文春によると、上野氏は口利き1件に2万円の報酬を取ろうとしたとしており、秘書から「これ、あっせん利得になっちゃいますよ(あっせん利得処罰法違反になる)」とたしなめられる場面も指摘されている。上野氏は内容を否定。(編集担当:森高龍二)