会長に厳重注意「番組介入以外の何物でもない」

2019年10月01日 09:39

 かんぽ生命保険の不適切販売を報じた昨年4月のNHK番組を巡りNHK経営委員会が昨秋、郵政グループの申し入れを受け、上田良一会長に厳重注意していた問題。立憲民主党の枝野幸男代表は「個別番組に対する介入以外の何物でもない」と重大な問題との認識を示し、関係した人物は引責辞任するべきとの認識を9月30日示した。

 経営委員会委員長の石原進委員長は9月26日付けで「視聴者の意見や指摘に真摯に向き合うことは視聴者対応の基本で、適切な視聴者対応が行われているかを監督することは経営委員会として重要な責務」とし「郵政グループからの申し入れについて、会長に対し視聴者目線に立った対応が行われるよう必要な措置を講ずることを伝えたもの」と主張。

 石原委員長は「放送法第32条の規定のとおり『経営委員会が番組の編集に関与できない』ことは十分認識している。自主自律や番組編集の自由を損なう事実はない」と厳重注意は編集の自由を損なうものでも、自主自律を損なうものでもないとするコメントを発表している。

 高市早苗総務大臣は9月27日の記者会見で「現時点では」と断ったうえで「経営委員会の権限の範囲で行われたと聞いている」とし、放送法32条に抵触しないものとの認識を示した。枝野代表は厳重注意を許している政府の責任を追及するもよう。

 NHK経営委員会委員に今年6月20日付けで就任した明石伸子・NPO法人日本マナー・プロトコール協会理事長は日本郵政グループ「ゆうちょ銀行」の社外取締役。事案が起きていたのが昨年のこととはいえ、経営委員会委員に郵政グループ会社の役員が入る格好になった。「かんぽ生命保険の不適切販売」をとりあげた番組「続編」が今後、あるのか注視したい。(編集担当:森高龍二)