日本の企業に対するサイバー攻撃が今年に入ってから増加しているという。その主な要因は日韓関係の悪化が影響しているとの指摘もある。また、独立行政法人情報処理推進機構が1月に公開したレポートによれば中小企業が比較的多く含まれるサプライチェーンの弱点を悪用した攻撃が増加しているとされセキュリティ対策の不足をその要因として挙げている。
11月下旬、IT市場専門の調査会社ノークリサーチが「中堅・中小企業がサーバ/ネットワークの守りのIT対策に取り組む際のニーズと支出に関する調査」の結果を発表している。
2020年にはWindows7のサポートが終了し Windows 10移行に伴うエンドポイント管理に注目が集まると予想される。そこで、年商500億円未満の中堅・中小企業に対して PCやスマートデバイスなどエンドポイントの守りのIT対策において「有償でも利用したいと考える製品/サービス」を複数回答で尋ねた結果、「 Windows10の更新プログラムを制御する仕組」が11.6%と最も多く、次いで「不正アクセスを受けた後の被害拡大を防ぐ対策」が9.8%、「複数の端末を横断的に管理・保護できる仕組」7.7%と続いている。
「Windows10の更新プログラムを制御する仕組み」が最も高くなっているように今後は中堅・ 中小企業においてもWaaS(Windowsのサービス化)への対応が重要となり、エンドポイント管理全体に大きな影響を及ぼすことになる。
また、中堅・中小企業における守りのIT対策では「外部からの攻撃をツールで防ぐ」という考え方が比較的多いが、標的型攻撃など近年ではツールを導入するだけでは対処が難しいケースも増え、「不正アクセスを受けた後の被害拡大を防ぐ対策」といった事後対策にも着目するユーザ企業が増加しているようだ。
エンドポイントにおける守りのIT対策ニーズを従業員数規模別に見ると、「Windows10の更新プログラムを制御する仕組み」と「不正アクセスを受けた後の被害拡大を防ぐ対策」のいずれにおいても従業員数50~100人の企業層で回答割合が最も高くなっており、従業員が多い大企業よりも中堅・中小企業においてはPC台数も少ないため手作業で対応する場合も多く、その結果、中間的な位置付けとなる従業員数50~100人においてWaaS対応 や不正アクセスの事後対策における製品/サービスの導入ニーズが高くなっていると考えられる。(編集担当:久保田雄城)