トヨタ+あいおいニッセイ同和、つながるクルマのデータ活用で迅速な保険対応可能に

2019年12月25日 06:17

PowerPoint プレゼンテーション

新保険サーブスの概要、コネクティッドカーから取得する情報で事故に至るまでの走行軌跡、アクセル、ブレーキなどの操作状況、各種装備の作動状況に関する車両データを可視化して、即座に事故を認識し、適切な解決策を実現する

 トヨタ自動車とあいおいニッセイ同和損害保険は、トヨタ・カローラやクラウンなどのコネクティッドカーから取得できる走行データを活用し、事故時の運転軌跡や運転挙動といった運転状況を可視化し、AIを活用した事故検知を実現する新しい事故対応サービス「テレマティクス損害サービスシステム」を共同で開発したと発表。

 トヨタとレクサスのコネクティッドカーを対象に2020年3月よりサービスの提供を開始し、対象車種を順次拡大していく。両社は、コネクティッドカーから取得するデータを活用し、「安全・安心なクルマ社会の実現」に向けた取り組みを引き続き進めて行くとしている。

 近年、IoTやAIの進化でクルマのコネクティッド技術は大きく進化している。そのコネクティッドカーを通じて車両データを収集・活用し、新たなモビリティサービスの提供が可能となってきた。両社は、コネクティッドカーから取得できる走行データをもとに、「ユーザーの安全運転を支援する機能」「安全運転による保険料割引」などのサービスを提供する国内初の運転挙動反映型テレマティクス自動車保険「タフ・つながるクルマの保険」を2017年に共同で開発し、2018年1月より販売を開始した。

 「タフ・つながるクルマの保険」は2019年11月末時点で2万5000件を超えるユーザーが加入しており、同社の一般的な自動車保険「タフ・クルマの保険」加入者と比較すると、事故率が約3割減少しており、明かな事故低減効果が確認できているという。

 このような事故低減の取り組みに加え、万が一保険加入者が事故に遇った際に、迅速かつ適切に事故解決をサポートするため、両社は新サービスシステムを共同で開発した。

 従来型保険の事故対応は、電話や書類のやりとりなどを通して顧客から得た情報をもとに、事故相手との過失割合の決定や示談交渉などを進めてきたが、新サービスでは、トヨタのコネクティッドカーから得られる走行データを活用、保険会社が正確かつ客観的に事故状況を把握することが可能となる。また、事故に遭った顧客の保険金請求手続きの負担を大幅に軽減もできる。

 また、あいおいニッセイ同和損保の24時間365日事故対応サービス「I’m ZIDAN」に加え、トヨタのコネクティッドカーとあいおいニッセイ同和損保が24時間365日つながることにより、迅速な事故対応を実現する。なお、このサービスは「タフ・つながるクルマの保険」の加入者向け新サービスとして提供するという。

 コネクティッドカーから取得する情報によって事故に至るまでの経緯、つまり走行軌跡、アクセル、ブレーキ、シフトポジション、ステアリングの操作状況、指示器、安全装置といった各種装備の作動状況に関する車両データを可視化することにより、事故状況の迅速な把握、そして事故解決を実現できるという。

 加えて、事故による大きな衝撃を検知した際「自動通報受信デスク」からユーザーに安否確認連絡を実施し、必要な諸手配を行なう「緊急時リアルタイムサポート」にAIを活用。本機能は、あいおいニッセイ同和損保がテレマティクス端末搭載車両の事故データと、衝突実験により取得した衝撃データを機械学習することにより構築したアルゴリズムを活用している。これは事故の発生・事故地点を適切に把握でき、迅速な事故受付をも実現する。(編集担当:吉田恒)