福島議員 憲法分からない総理に改憲言ってほしくない

2020年01月30日 06:46

 安倍晋三総理の相次ぐ改憲意欲の発言が29日の参院予算委員会で改めるよう強く求められた。これに対し安倍総理は「年頭の総理記者会見で『(憲法改正を)私自身の手で成し遂げていく考えに揺るぎはない』と言ったのは、記者の質問に答えて、自民党総裁として発言した」などと答弁した。

 しかし、内閣記者会幹事社の記者は「総理の任期が残り2年を切りました。憲法改正について、任期中の改憲に向けて年内の発議を目指す考えはありますか」と尋ねており、自民党総裁としての安倍氏に質したものではないことは明白。

 社会民主党の福島みずほ議員が取り上げた。福島議員は記者会見での総理のこの発言を取り上げ「総理に(改憲の)権限はない。憲法発議にしろ、国民投票にしろ、この総理発言は間違っている」と質した。

 また、安倍総理が自民党総裁としての発言だとしたことに福島議員は「総理としての発言だ」と反論したうえで「公明党の山口那津男代表は1月16日の記者会見で、憲法改正をめぐって安倍総理が(改憲を)私自身の手で成し遂げたいと繰り返し主張していることに『安倍総理として憲法を決定する権限はない。総理としての言い方は誤解を招くので考えてもらいたい』と言っている。その通りだ」と与党党首からも安倍総理の対応に苦言が呈されていることを挙げ、態度を改めるよう強く求めた。

 安倍総理が変える姿勢をみせなかったことから、福島議員は公選法違反容疑がかかる河合案里参院議員に関する野党議員の質問には「総理としてこの場にいるので、総裁として言わない」と答えず、改憲発言を問われると「総理としての発言でなく、自民党総裁としての発言」などとご都合主義に逃げる総理に「都合よくコロコロ変えないでください」とけん制した。

 そのうえで「間違った憲法解釈はやらないでください。憲法改正の中身も問題だが、憲法の分からない総理に、憲法改正など言ってほしくない。今後、気を付けるよう求める」と再度、改めるよう求めた。憲法99条の規定で安倍総理ら国政担当者、公務員には「憲法順守擁護義務」がある。(編集担当:森高龍二)