カジノのIR「進める」と安倍総理 国会答弁

2020年01月30日 06:49

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業をめぐり現職国会議員(逮捕後に自民を離党)が汚職事件で逮捕される事態を招く中、安倍晋三総理は29日の参院予算委員会で「カジノを含むIRを、国民の理解を得る努力をしながら、進めていきたい」と予定通り推進する考えを強調した。

 その一方、立憲民主党、国民民主党、日本共産党、社会民主党などが今月20日に共同提出した「カジノ廃止法案」の取り扱いについては「国会においてお決めになる事と思う」と「原発ゼロ法案」同様、政府にとって都合の悪い法案にはコメントしない姿勢をみせた。社会民主党の福島みずほ議員の質問に答えた。

 安倍総理は「IRに関しては国民的な理解が大変重要であり、事業者選定の透明性・公平性の確保などについても、高い独立性を有するカジノ管理委員会(総理所轄下に置かれた合議制の行政委員会)や国会での議論も十分に踏まえ、丁寧に進めていきたい」などと答えた。ただ、これまでも問われる疑惑や懸念事案に「丁寧に説明、丁寧に進める」としながら乖離する実態がある。

 また福島議員は2017年2月10日、カジノ事業者3人を含む米国のビジネスリーダー14人と安倍総理が朝食を囲んだ際、総理がIR推進法の成立を紹介したことについて「紹介する必要があったのか、どのように紹介し、参加者はどのように歓迎のコメントをしたのか、具体的に説明を」と質した。

これに安倍総理は「非公開を前提に集まったので、誰が何と言ったかは差し控えたい」と答えなかった。米国のカジノ業者は日本への進出を目指している。(編集担当:森高龍二)