海上自衛隊の中東派遣。2月2日に護衛艦「たかなみ」が中東へ出航予定だが、特別法を設けて派遣することなく、閣議決定と防衛大臣命令のみで派遣することに疑問や懸念の声が出ている。特に、立法措置をとらずに自衛隊海外派遣を行う前例になる危険を危惧する意見が自民党内にもある。
29日の参院予算委員会では社会民主党の福島みずほ議員が「調査研究で自衛隊を(中東へ)出せるなら、陸上自衛隊も、航空自衛隊も調査研究を理由に出すことが理論上、可能になる。調査研究で護衛艦がミサイルを持って行けるのであれば、陸上自衛隊も戦車を持って行ける。理論上、法律上は除外されないということでよいか」と質した。
河野太郎防衛大臣は「陸上自衛隊の個人あるいは部隊が他国に行く場合には、当然に他国の了解が必要になる。所掌事務の範囲内ということで、どういうケースで戦車を出さなければいけないのか、御提示をいただければお答えできる」などと述べ、論点を逸らした。
安倍晋三総理も「所掌事務において、他国に戦車を持っていってその所掌事務を実行するということは到底考えられないということで、それは想定できない」と福島議員が理論上の解釈での答えを求めたのに、これを逸らして回答を避けた。(編集担当:森高龍二)