自衛隊中東派遣に批判招いている責任には触れず

2020年02月05日 07:09

 安倍晋三総理は4日の衆院予算委員会で海上自衛隊の中東派遣について国会での立法措置による審議を経ずに閉会中に閣議決定し防衛大臣命令で派遣したことが、そもそも国民に懸念を抱かせ、「憲法違反」の批判を招いているという責任には触れず、情緒に訴えて「憲法に自衛隊を明記することが自民党の考え」と、都合の良い質問には『自民党総裁』としての発言として改憲審議をアピールした。ご都合主義の答弁は論理的ではなかった。

 安倍総理は「石油資源の9割を依存する地域の日本関係船舶の航行の安全確保のため(自衛隊の皆さんは)家族の皆さんと別れて任務に赴く。(2日の海上自衛隊護衛艦『たかなみ』の)出港式典には(自衛隊員の)ご家族の方もいた、お子さんたちもいた、お子さんに『お父さんと離れて寂しいね』と言ったら『うん』と言って、私が『誇りに思うよ』と言ったら、うなずいていた」と得意の感情表現。

そのうえで「すぐ横で『自衛隊違憲』というプラカードを持っている。これは本当に残念で、そこにいる家族やお子さんはどう思うか。この事態には終止符を打たなければならない。自衛隊をしっかり明記し、この状況に終止符を打つというのが自民党の考え方だ、(国会で)しっかり議論が進むことを期待したい」と総理のいつもの答弁からは『総理としてこの場に立っているので答えられない』はずが、『自民党総裁』として答弁した。日本維新の会の足立康史議員の改憲についての問いに答えた。(編集担当:森高龍二)