辺野古の地盤強度で不可解な防衛大臣説明

2020年02月09日 08:19

 辺野古基地建設にかかる軟弱地盤データで防衛省が水深90㍍までに見つかった「B27」地点の採取土で調べた「地盤強度」の室内試験データを省内に設けた専門家による「技術検討会」に示していなかった問題。

 不都合なデータの隠蔽との批判に、河野太郎防衛大臣は7日の記者会見で「そのデータは船上で行う簡易的なもので、試験結果の信頼性が低い試料を用いた試験ということから設計に使われることはないと認識している」などと説明した。

 簡易的な試験でさえ防衛省が示す「地盤強度」の36%~34%にとどまるものであることが明らかになったのなら、なおさら地盤強度の本格調査が必要。『簡易的な試験結果』であっても、設計に重大な影響を与えることが考えられる重要性から、専門家からなる防衛省の技術検討会にすべてのデータを提示することが必要なはず。参考にするかどうかは専門家に任せるべき。

 防衛省が技術検討会に示さなかった「B27」の採取土の地盤強度は防衛省が示す「地盤強度」の36%~34%にとどまるものだったため、「水深70~90㍍の地盤は非常に固い」としてきた防衛省の根拠が崩れることになることや技術検討会の議論の前提が崩れるものになる。そのために「設計につかわれることはない」などと答えた可能性がある。

 河野大臣は記者団から辺野古移設について特段、計画変更が生じたり、大きな問題が生じたることはないのかとの問いに「ないと思う」と答えた。土木の専門家は赤旗日曜版で「技術検討会にこのデータを示していないのは信じがたい。地盤強度の強い他の地点のデータだけ集めて設計を行うなど絶対にあってはならない」(鎌尾彰司日大准教授)と警告している。(編集担当:森高龍二)