安倍晋三総理は4日召集国会での所信表明演説で韓国について「重要な隣国だ」としながら「国際法に基づき、国と国との約束を遵守することを求めたい」と1965年に結ばれた日韓請求権協定を取り上げ、韓国との関係において「徴用工問題」で韓国大法院(最高裁)の判決からこれまでの政府姿勢に変化をみせることはなかった。
また沖縄米軍基地問題では「基地負担軽減に引き続き取り組む」「沖縄の皆さんの心に寄り添いながら、一つひとつ、確実に結果を出す」としながらも、辺野古への新基地建設については「普天間飛行場の全面返還に向け、辺野古への移設を進める」とし、工事を中断することなく、進めていく姿勢を鮮明にした。
安倍総理は地元負担軽減の一例に「昨年度の牧港補給地区に続き、今年度末に予定されるキャンプ瑞慶覧の一部返還に向けて準備を進める」とした。
北方領土問題では2島返還にもロシア首相などの発言から疑問符がつけられる中、安倍総理は「北方4島での共同経済活動が動き始めた。航空機によるお墓参りは3年連続で実現し、長門合意は着実に前進している」と演説。
そのうえで「領土問題を解決し、平和条約を締結する。1956年宣言を基礎として、交渉を次の次元へと進め、日露関係の大きな可能性を開花させていく」と述べた。実効性がどこまで見られるのか、外交課題の多い安倍内閣の状況だけに、外交問題でも国会論戦が注目される。(編集担当:森高龍二)