風俗産業従事者にも休校による保護者休業助成を

2020年04月07日 06:32

 性風俗産業に身を置く女性従事者の中には育児に追われ、生活のために従事しているシングルマザーも多いが、厚労省は風俗事業者が雇用助成から外れていることを理由に小学校休業に伴い休職せざるを得なくなったこれらの女性、保護者に対しては「支援金は出さない」としていることに、SWASH(性風俗産業従事者の労働環境改善をすすめる団体、要友紀子代表)が「風俗従事者を含むすべての親と子どもたちの生存権を守るため、支援金の支給対象から除外しないでください」と加藤勝信厚労大臣らに要望した。

 要望では「私たちは風俗従事者とその子どもたちが、他の労働者とその子どもたちと同じように生存権が守られることを望んでいます。風俗業に従事しているか否かという職業を支援対象の指標とせず、その人が困っているかどうかで判断するようにして下さい」とアピール。

また「風俗は日払いで今回のような事態によって収入が激減しやすい仕事。社会的排除を受けやすい、困難を抱える親たちの扶養の躓きや困窮を軽減するためには、いま子育てをしながら風俗で働いている人々が求める支援を国が提供することは不可欠」と訴えている。

そのうえで「今回の支援金で支援対象の範囲が予め決められてしまった結果、風俗で働く人々への差別が助長されたことは否めない」と危惧し「風俗で働くことそのものを問題視したことで支援に繋がるべき人が支援を求めにくくなる事態も懸念される。不支給要件の見直し・撤回の周知に努めてください」と要望している。

SWASHは会のHPによると「性風俗などで働くセックスワーカーが仕事をやっている限りは健康かつ安全に、また辞めたい時にも健康かつ安全に辞められる状況を目指して活動するグループで、1999年に設立された」としている。労働実態調査や風俗店オーナー研修などの活動にも取り組んでおり、現役や元従事者、サポーターで構成している。

厚労省は小学校などの休校のために仕事を休まざるをえなくなった保護者向けに最大日額8440円の雇用助成金を支給する。フリーランスについては約半額の4100円を支援することにしている。一方で風俗産業従事者に対しては対象から外している。(編集担当:森高龍二)