積水ハウス、第3四半期業績は増収増益と好調

2011年12月09日 11:00

 積水ハウスは12月8日に平成24年1月期第3四半期決算(連結)を発表、売上高は1兆1120億9100万円と前年同期と比べ4.9%増加した。また、営業利益は前年同期比の約70%増となる497億400万円、経常利益は同71%増の498億5600万円、純利益も同83.4%増の248億4700万円で、前年同期と比べて増収・増益となり、全般的に好調であった。

 その要因としては、東日本大震災後に国民の間に高まった住宅の安全・安心に対する意識や、太陽電池・燃料電池などの創エネ技術を搭載した環境配慮型住宅の受注増加、都市部における賃貸住宅の需要が上昇したことなどが挙げられる。また、オーストラリアやアメリカなどで展開している国際事業の受注が本格化してきたことも好調要因として加えられる。

 第2四半期で上方修正された連結予想も順調に推移しており、以降も堅調な動きを見せると予測される。その裏付けとして、例年行われているイベント「住まいの参観日」において過去最高となる来場者数を記録、住宅購入予備軍に対しPR強化してきた制震システム「シーカス」、空気環境配慮仕様「エアキス」、エナジーフリーを実現する「グリーンファースト ハイブリッド」の訴求効果が得られたことや、リフォーム相談が増加したことが挙げられる。他にも、現在開催中の東京モーターショーに住宅メーカーとして初めて出展し、オリジナルのHEMSで電力の最適制御を実現したスマートハウスの提案などを行ったことでの高評価や、新春キャンペーンの告知という受注に繋がる導線ができたことも今後の好材料となっている。

 欧州の債務問題や米国経済の減速に対する懸念、さらにはタイの大洪水による日本企業の生産拠点活動停止などで、景気先行きの不透明感は強まる傾向ではあるが、前述のように好材料も多いことから、同社の平成24年1月期の連結業績予想は9月発表の上方修正計画を据え置いた。売上高は前期比2.1%増の1兆5200億円、営業利益は同20.7%増の680億円、経常利益は同21.7%増の685億円、純利益は同16.7%増の355億円としている。