GoToでも電通ありき?ヒアリング約10回

2020年06月14日 08:47

 梶山弘志経済産業大臣は「GoToキャンペーン」での業務委託を一括委託から、それぞれ担当部署の省による委託に変更した理由について、12日の参院予算委員会で問われ「事務局公募については事務局をひとつにすることで公募はじめ申請、審査、精算機能などの確保、キャンペーンに共通する機能を一体的に執行できるメリットがあるが、観光・飲食・イベント・商店街という性質の異なる事業を統括することから構造が複雑になる課題が当初からあった」と説明した。

 また、梶山大臣は「昨今の国会や国民の皆様のご指摘を踏まえて、より事務局の構造を簡素にする必要があると判断するに至った」と述べた。

 日本共産党の武田良介議員の問いに答えた。梶山大臣は「それぞれの事業を所管する省(農水省、国交省、経産省)において、事業分野に適した業務執行団体を、それぞれが選定することにより、事業の適正な実施を図る」と述べた。

 梶山大臣は武田議員から「昨今の国会や国民の皆様のご指摘との具体的内容は」と問われ、「分野別に選定するべきではないか、との意見や公募プロセスが不透明といった様々なご指摘があった」と述べた。それを踏まえて「一括による公募をやめた」とした。

 武田議員は「持続化給付金の業務委託の構造と同じ構造になるのではないか、事務委託費3095億円は多すぎるのではないかという国民の声が届いているのか」と質した。また「このキャンペーンも電通に委託するとの話が流れていたのではないか」と指摘。

 梶山大臣は「公募前に特定の事務局事業者を想定していたものではないとの報告を受けている」と否定した。一方で、公募前のヒアリング事業者は何社かとの問いには「電通を含む約50社」とし「電通とのヒアリングは10回程度と報告を受けている。10回程度は複数社ある」としたが、電通ありきの疑惑は消えない。

 武田議員から事務委託費は分散により減額できるのかと問われ「効率的に行えると思う。安くなるか、高くなるかは結果を見ないと何とも言えない。上限額をおさえているということ」と述べるにとどまった。その後「財務省は抑えられるということ」と追加した。

 持続化給付金の業務委託の不透明さを受け、国会での追及や国民からの批判の声が強まる中、経産省はGoToキャンペーンの事務委託について委託先事業者の公募を5月26日から6月8日まで実施していたが、6月5日付けで中止、一括委託をやめた。今後は委託先と事務委託費用が注視される。(編集担当:森高龍二)