河野太郎防衛大臣は15日、山口県と秋田県への陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」設置計画を停止する、と発表した。
改良型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」に課題が見つかった。発射後にブースターを分離させた際、周辺住宅に落下させないためには大幅な改修が必要と分かり、膨大な費用と時間がかかるという。
社会民主党の吉田忠智幹事長は河野大臣の発表を受け「ミサイル迎撃基地としての位置付けにとどまらず、配備されれば攻撃基地に転化する可能性もあった」と指摘。「イージス・アショアの導入は憲法上の疑義をはじめ、様々問題があることから、現地の皆さんと断固反対してきた」とし「政府は完全に計画断念を」と談話を発表した。
吉田氏は「レーダーが四方に放出する強力な電磁波による健康被害や生活への影響なども懸念されているにもかかわらず、住民に対する詳細な説明が全くなされないまま、計画を進めてきた。配備ありきのずさんな調査やデータ隠しは断じて許されない。この間の対応と今回の決定の経緯について関係自治体および住民に丁寧に説明し、謝罪すべき」としている。
日本共産党の志位和夫委員長はツイッターで「もともとハワイやグアムの米軍基地防衛としか説明のつかない計画。白紙撤回を強く求めていきます!」と計画を断念するよう求めていく考えを発信した。(編集担当:森高龍二)