ウィズコロナ時代の新しい生活様式。万全な感染対策を今一度考える

2020年07月05日 10:57

 新型コロナウイルス感染症の流行によって、我々の生活が大きく変化しつつある。昨年までは意識しなかったソーシャルディスタンスや三密の回避は当たり前になり、情報通信技術を活用したテレワークという働き方も一気に広まった。そして、ウィズコロナ時代といわれるように、おそらく、この新しい生活様式はこれからのスタンダードとなっていくだろう。

 ところが、この急激な変化に我々の環境はまだ対応しきれていない。マスクや消毒剤の不足はおおむね解消された。飲食店に入れば、パーテーションで区切られている。スーパーやコンビニのレジ周りに吊り下げられたビニールも見慣れた光景にはなった。しかし、オフィスや学校、公共の施設や交通機関、そして家庭の中ではどうだろう。手洗いうがいの励行や、デスクの距離をとるなどの対策はしていても、施設自体のスペックとしては、感染対策に適応できているとは言い難いのが現状だ。

 例えば、日本国内のトイレ市場では6割のシェアを持つTOTOや、同社の商品を取り扱う代理店などにはコロナ以降、問い合わせが増えているという。その理由は同社が開発したトイレに採用されている「きれい除菌水」だ。きれい除菌水とは、水に含まれる塩化物イオンを電気分解して作られる除菌成分(次亜塩素酸)を含む水で、薬品や洗剤を使わず、水から作られるものだ。また、時間が経てば、元の水に戻るので環境にも優しいという特長がある。これが感染症対策になるのではないかと考えるのは当然かもしれない。トイレは密室なので、関心も高いだろう。

 確かに、きれい除菌水は数々の試験結果から、除菌効果があることは同社のサイトなどでも紹介されている。でも、それはあくまでトイレ本体やノズルなどの洗浄に限ったもので、トイレ全体の除菌効果を保障するものではない。また、残念ながら、新型コロナウイルスに効果があるかどうかも、実証されているわけではないのだ。とはいえ、トイレ全体の除菌やコロナ対応を求める需要は大きいはずなので、近い将来、トイレ全体の除菌が可能になるかもしれない。

 そんな中、住宅業界でいち早くウィズコロナ対応住宅の開発に乗り出したのが、昨今、ロボットで案内する無人モデルハウスなどで話題になっているアキュラホームだ。同社では比較的早い時期から、多くの有識者や生活者に意見や生活習慣の変化をヒアリングし、新しい生活様式に適応できる住まいの開発に取り組んできた。そして、 7月12日には実際に、新生活様式に対応するオプション類を導入した住宅の見学会を埼玉県で予定している。

 この住宅の最大のポイントは、帰宅時に最初に足を踏み入れる土間スペースを「ウイルス除菌エリア」とし、住まいにウイルスを持ち込まないように徹底している点だ。まず最初に触る玄関ドアは、接触感染リスクを極力軽減できる仕様にしている。一歩入った玄関土間には、どこにも手を触れることなく手洗いとうがいが可能だ。さらには、バキュームシステムにより衣服に着いたPM2.5や花粉、粉塵などあらゆるものを玄関で吸い取る。他にも、新型コロナウイルスを不活化するという研究結果のあるオゾン発生器を設置するなど、これでもかというくらい、住まいにウイルスを持ち込まないオプションが山積みだ。また、新しい働き方となりつつあるリモートワークの為のスペースを、稼働間仕切りにより確保している。万が一の自宅療養スペースとしても使用可能との事だ。

 日本では、他国に比べると感染被害は抑えられており、緊急事態宣言の解除とともにコロナに対する危機意識は日増しに薄らいできている。しかし、東京や大阪では再び感染者が増加し始めていたり、まだまだ予断を許さない状況だ。いたずらに不安をあおるのはよくないが、二次感染のリスクも消えたわけではないし、未だワクチンも開発途中。自分や家族の身は、自分たちで守るしかない。そして、そういう生活はこの先も続いていく。簡易な対策だけではなく、アキュラホームの取り組みのように自宅やオフィスの環境を根本から見直す必要があるのではないだろうか。(編集担当:藤原伊織)