インターネットが普及を始めた頃には、これからはペーパーレスな時代になると言われたものである。しかし、日本のインターネット普及率が79.1%にまで拡大した今、実際にペーパーレスを実感している人は少ないのではないだろうか。こうした中、IDC Japanが、モバイル機器が今後の印刷ページ数に与える影響に対するエンドユーザー調査を米国にて実施。これによると、スマートフォン/タブレットユーザーの多くは若い男性で、収入は高い傾向にあり、旅行や出張の機会が多くなっている。そしてこれらの人々は、ノンユーザーよりも多くの印刷を行う傾向があるという。
2012年において、モバイル機器から実際に印刷しているユーザーが急増。逆に、印刷ニーズが全く無いとするユーザーは2012年時点で約50%いるものの、2015年も同じと答えた回答者は25%に減少するという。
スマートフォン/タブレットは、現在ディスプレイ上で情報を閲覧するのに使われることがほとんどである。一方で同調査では、ユーザーの行動から判断すると、今後はモバイル機器からの印刷が一般的となっていくと予測。旅行/出張時の印刷、カラー印刷、会社の特定ドキュメントの印刷等が、オフィスや外出先でのスマートフォンやタブレットからの印刷を加速する要因になるという。また現在は、ほとんどのユーザーが、モバイル機器からの印刷方法を知らず、大多数のユーザーは、会社でモバイルプリントができるようになっていないと回答しているという。こうした人々がモバイル機器からの印刷方法を理解したら、印刷ページ数は劇的に増加すると予測されている。
2012年から2016年までの5年間で、モバイル機器からの印刷ページ数は年平均成長率12%で成長する予想されている。タブレット端末が普及し、デジタルカタログの利用が広がっているにも関わらず、印刷ページ数が増加する。ペーパーレスの時代が来ると言われた風潮はどこにいったのであろうか。(編集担当:井畑学)