野田佳彦総理は5日の衆議院予算委員会で、前沖縄防衛局長の発言について遠山清彦議員(公明党)から質され「今回の前沖縄防衛局長の発言は弁解の余地はございません。極めて不適切であり、極めて遺憾。ほんとに沖縄のみなさまにお詫び申し上げたい。誠心誠意説明していくと申し上げてきたことが徹底していなかったことは痛恨の極みだ」と沖縄県民と政府との溝の深まりを痛感する表現を使った。
また、一川保夫防衛大臣は「前沖縄防衛局長の発言翌日の報道を見てショックだった。あの発言で、これは大変なことになったというのが第一印象だった」と素直に答えた。
野田総理は「決して、沖縄に対する差別という意識を持っているわけでない。米軍基地の74%が沖縄に集中している現状をできるだけ負担軽減したいという思いを強く持っている」と語り、粘り強く、これまで以上に丁寧に普天間飛行場の移設のため、名護市辺野古への代替施設建設への理解を求めていく姿勢を強調した。
遠山議員は前沖縄防衛局長の発言に「沖縄県民はほんとに傷ついて、厭きれている」と軽率で、こころない発言に怒った。また、「部下の発言だが(大臣としての)管理責任をとり、潔く大臣を辞任すべきだ。その考えはないのか」と一川大臣に辞任を求めた。
一川大臣は「沖縄県民の思いをしっかりと受け止めさせていただき、沖縄県内の懸案事項について、責任を持って、謙虚な気持ちで最大限努力させて頂きたいと思っている」と語り、大臣を辞任する考えのないことを改めて示した。(編集担当:福角忠夫)