6人の任命拒否撤回求める署名13万6千人超え

2020年10月09日 06:39

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菅総理に対して任命拒否撤回を求めるネット上での署名活動には8日午前11時50分現在、すでに13万6041人の署名が集まっている

 日本学術会議は菅義偉総理に日本学術会議が会員に推薦した6人の任命を求める要望を提出しているが、菅総理に対して任命拒否撤回を求めるネット上での署名活動には8日午前11時50分現在、すでに13万6041人の署名が集まっている。

 東京大学大学院人文社会系の鈴木淳教授らが呼びかけているもので「任命を拒否された6名は、いずれも政治学、法学、歴史学、宗教学など、思想信条の自由、人権の尊重に深く関わる研究分野の研究者で、こうした分野に関して政府が介入したことは問題の深刻さを示している」としている。

 また「政府は当事者にさえ拒否した理由を示していない」と、この点でも問題を指摘。「会員の任命に政府が介入した今回の事態は『学協会等における自主的な選出結果を十分尊重』していない点で、これまでの政府見解をくつがえすものであり、日本学術会議の独立性の維持を求める国会の意思にも反する」とも訴えている。

 鈴木氏らは「日本学術会議が使命を果すには、構成員が学問的・思想的に多様であることが不可欠。内部でできるだけ多様な意見を闘わさない限り、喫緊の問題であろうと、長期問題であろうと、よく練上げられた豊かで有効な提言はできない。一部の研究者を排除し、意見の範囲を限定することは学術会議本来のあり方を著しく損い、国民に対する義務を果すことを不可能にする」と問題点をあげる。また「時の政権の意思に適うかということと、学問的な適格性はイコールではない」とも提起している。

 寄せられているコメントでは「政府は国民に対してもっと誠実になるべき!」「自分のお気に入りだけを任命するのは恐怖政治」「今回の人事権の介入は、学問の自由だけでなく、いずれは言論の自由や表現の自由に繋がるもので、これをうやむやにすることは、菅政権の横暴を認めることになってしまいます。断固撤回を求めます」「全く説明をしない政府に腹立たしさを感じています。意見、反論を封じる団体に未来はありません。まして、勝手な判断を下しておきながら、説明もしないなんてっ!これが自分の国の政府なんだと思うと、本当にがっかりです。菅さんには人の上に立つ素質がないのでは」などの声が相次いでいる。(編集担当:森高龍二)