総務省の労働力調査によれば女性の就業者数は2019年に3000万人を超え、就業者全体に占める割合は44.5%にまで上昇している。政府も女性活躍推進法を制定し、企業が女性の活躍推進に関する取組みを行うことを義務付けており、女性の活躍の場は今後もますます広がって行くと期待される。政府は「2020年までに指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度」という目標を掲げたが、19年末の時点で女性管理職比率は17%であり、その実績は目標からほど遠い。女性管理職比率が伸び悩んでいる背景としては女性が管理職になりたがらないという意識の問題もあると指摘されている。
与信管理システムを運営するリスクモンスターが先月30日、20~59歳の女性500人を対象に8月31日から9月2日にインターネットを通じて実施した「女性の働き方に関する意識調査」の集計結果レポートを公表している。
これによれば、「現在勤める会社で昇進したいか」と質問した結果、「昇進したい」と答えた者の割合は25.2%で、「昇進したくない」が74.8%となっており、「昇進したい」と答えた女性は約4分の1にとどまり、「昇進したくない」が「昇進したい」を大きく上回っている。年代別に「昇進したい」と答えた者の割合を見ると、30代が32.8%と3人に1人で最も多く、次いで20代と40代がともに26.4%、50代が15.2%と30代が最も多くなっている。50代が平均値を大きく下げており、若い年代のみでは概ね3割弱と言えそうだ。
次に「女性であることを不利だと感じたことがあるか」という質問に対しては、「ある」と答えた者が45.2%、「ない」は54.8%となっており、若干ではあるが「ない」と感じている者の方が多いようだ。しかし、昇進意欲の有無別にみると、「昇進したい」と回答した者の59.5%が「不利だと感じたことがある」と回答し「昇進したくない」でのそれは40.4%となっており、昇進意欲が強い者ほど「女性であることを不利だと感じる」傾向があるようだ。
同社が過去に実施した調査では6割超の男性が「昇進意欲あり」と回答しており、これと比較すると女性は男性に比べて昇進意欲が低い傾向があるというのは確かなようだ。しかし、若い世代ほど女性でも昇進意欲のある者が3割弱程度存在し、「女性は不利だ」と感じている者も少なくないことから、今後はそうした女性がより活躍できるよう企業の職場環境の改善に向けた一層の努力が期待される。(編集担当:久保田雄城)