桜を見る会前夜祭で安倍氏、国会で虚偽の説明か

2020年11月25日 06:30

 安倍晋三前総理の後援会「安倍晋三後援会」(山口県下関市)が「桜を見る会」前日に都内ホテルで後援会員らを招いて催した「前夜祭」で、参加者らが支払った額(1人5000円)に対し、ホテル側で発生した費用の不足分を補填した可能性が出てきた。ホテル側が安倍氏側へ領収書を作成していたという。

 事実なら政治団体の収支記載を義務付けた政治資金規正法違反(政治資金報告収支報告書不記載)にあたる。東京地検特捜部は後援会代表を務める公設第一秘書から任意の事情聴取を行った。

 また差額の補填は有権者に対する利益供与にあたり、公職選挙法違反(選挙区内の者への寄付)になる。すでに弁護士ら数百人が安倍氏や公設第一秘書らを公選法違反で刑事告発している。

 安倍前総理は国会答弁で「事務所や後援会の収入、支出は一切ない。事務所職員は参加者から5000円を受け取り、ホテルから預かったホテルの領収書を手渡しただけだ」とし、参加者とホテルとの直接契約により催されたものと主張していた。また、1人5000円という金額も「ホテル側が提示したもの」と説明していた。

 ホテル側で発生した費用の不足分を後援会事務所が補填していたとすれば、安倍前総理の国会答弁は虚偽だったことになり、1人5000円という額をホテル側が提示したことも虚偽説明の疑いが出てきた。安倍氏は自身のツイッターでは24日午前10時現在、この件に関しての発信をしていない。(編集担当:森高龍二)