企業の忘・新年会、「今シーズンは行わない」9割。従業員の感染防止を重視

2020年11月27日 06:33

画・企業の忘・新年会、「今シーズンは行わない」9割。従業員の感染防止を重視。

:東京商工リサーチが「忘・新年会に関するアンケート」調査。忘年会や新年会、今年は「開催しない予定」の企業が約9割

 新型コロナウイルス感染症は、懸念されていたとおり、冬に向けて既に第三波到来が鮮明となってきている。例年であれば、年末に向けて忘年会の予約・準備で幹事になった者が忙しくなる季節だ。しかし、東京商工リサーチの調査によれば、コロナ感染が世界的に広がる中、年末年始の恒例行事である忘年会や新年会を今シーズンは「開催しない」とする企業が約9割にのぼることがわかっている。宴席関連の飲食業や宿泊業にとっては大きな痛手だ。

 19日、東京商工リサーチが、11月9~16日に実施した、有効回答1万59社のインターネット・アンケート調査の集計・分析レポート、「忘・新年会に関するアンケート調査」を公表している。

 レポートによれば、全調査対象企業1万59社のうち、今シーズンの忘・新年会について「昨年は開催し、今年は開催しない予定」と回答した企業の割合は66.8%と3社に2社を占め最も多くなっている。次いで「昨年は開催せず、今年も開催しない予定」が21.1%で、「開催しない予定」と回答した企業を合計すると87.9%となり、約9割の企業が「開催しない予定」のようだ。ちなみに「昨年開催し、今年も開催予定」が11.6%、「昨年は開催せず、今年は開催予定」0.5%となっており、開催する企業は10社に1社程度だ。

 企業規模別にみると、資本金1億円以上の大企業で「昨年開催し、今年は開催しない予定」が75.7%、「昨年は開催せず」も含めると92.9%が「開催しない」と回答している。一方、資本金1億円未満・個人企業などの中小企業では「昨年開催し、今年は開催しない予定」が65.1%、「昨年は開催せず」を含めると86.9%になり、大企業で「開催しない」企業が多くなっている。

 都道府県別でみると、「昨年開催し、今年は開催しない予定」と「昨年は開催せず、今年も開催しない予定」を合計した「開催しない予定」の企業の割合は、北海道が93.0%で最も高くなっている。また、東京都が90.2%、愛知県が88.9%、大阪府90.7%など3大都市圏で高くなっているほか、沖縄県が81.6%と高く、やはり感染が広がりを見せている地域ほど「開催しない予定」の企業が多そうだ。

 レポートでは「企業は従業員の感染防止に細心の注意を払っているようだ」とし、「飲食店や、ホテル・旅館などを中心に、年末年始の稼ぎ時に第三波の影響が直撃する可能性が高まっている」と指摘している。(編集担当:久保田雄城)