消費税増税の反動で消費の落ち込みが予測されていた。というものの増税前の駆け込み需要の動きが小さかったため影響は軽微という見方が大勢をしめていた。しかし、10月になってからの天候不良や世界経済の先行き不透明感の増大で小売動向は予想以上の落ち込みを示しているようだ。前回2014年時には消費節約ムードが長期にわたり反動からの回復が大きく遅れたが今回の消費者マインドはどうであろうか。
インターネット総合ショッピングモールを運営するeBay Japanが11月上旬に全国の20~40代男女500名を対象として「年末のお金の使い道と買い物に関する調査」を実施し、その集計レポートを同月下旬に公表している。
レポートによれば、「今年の年末セールで買物をする予定」について尋ねたところ「買物をする予定だ」と答えた者の割合は37.0%、「予定はない」が63.0%となっており4割近くが年末セールで買物をする予定のようだ。
年末での出費の内容については、「趣味」が23.0%で最も多く、次いで「忘年会」18.6%、「年末セールでの買物」16.8%と続く。年末セールで買いたいものについて複数回答で聞いた結果では、「衣類」が69.7%と断トツで多く、次いで「日用品・雑貨」が45.9%、「食料品・飲料」33.5%の順となっている。
買物の予算については「1万円以上~5万円未満」44.3%が最も多く、次いで「5000円以上~1万円未満」が21.6%でほとんどが5万円未満の予算のようだ。年末セールで買物をすると答えたもののうちネットショッピングを利用する者の割合は75.7%で8割近くがネット上で買物をすると回答しており一般小売店への影響は少なそうだ。
今年の年末セールは消費税増税後初の年末セールになるが、増税を受けて「年末セールでの節約を意識するか」という質問に対しては、「とても意識する」が19.4%、「意識する」が27.8%、「少し意識する」が最多の29.2%、「全く意識しない」が23.6%と程度の差はあれ「節約を意識する」と答えた者は76.4%で8割近くの者がやはり節約傾向で年末の消費を行うようだ。
前回ほどの節約ムードではないようだが、海外経済の動向や賃金の推移など消費に関連する指標の動向にしばらく注意が必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)