政府が原発に対する第2の「安全神話」のように唱え続ける原発再稼働に関する「世界で最も厳しい安全基準に適合した原発」に司法が疑問を提起した。
大阪地裁は4日、国が設置許可した「関西電力大飯原発3号機、4号機」(福井県)について、住民ら127人が大地震への耐震性が不十分として、設置許可を取り消すよう求めた行政訴訟で住民の訴えを認めた。
「原子力規制委員会の審議や判断には看過しがたい過誤や欠落がある」とした。この判決に社会民主党は「住民の不安や懸念に応えた画期的な判決で、心から歓迎する」とのコメントを発表した。コメントでは「当時、原子力規制委員会で唯一の地震学者であり、地震動の想定に当たった島崎邦彦東京大名誉教授も、熊本地震を踏まえ、地震を起こす断層の長さや深さが正確に把握できないことから、耐震設計の目安となる揺れが過小評価になっていると証言している」と紹介した。
社民党は「新規制基準については田中俊一原子力規制委員長(当時)も『安全を保証するものではない』としており、今回の判決は大きな意義を有する」と評価した。
そのうえで「関西電力は司法判断を重く受け止め、再稼働を行ってはならない。政府と原子力規制委員会も基準地震動や安全審査の見直しに直ちに取り組むべき」と要請している。
一方、関西電力は判決を受けて「2017年12月7日以降、訴訟参加人として、裁判所に対し、設置変更許可処分の前提となる大飯発電所3、4号機の安全性について丁寧に説明を行い、安全性が確保されていることを理解いただけるよう真摯に対応してきたが、国および当社の主張を裁判所に理解頂けず、極めて遺憾であり、到底承服できるものではない」とし「判決内容の詳細を確認し、速やかに国と協議の上、適切に対応する」とのコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)